「アメリカン・サイコ」の主人公(=クリスチャン・ベール)は「手応え」のない社会にたいして「手応え」を求めて不安に陥り、その結果、「一人寂しく自己完結」して行くしかないが結論だった。一方、「ビューティフル・マインド」の主人公(=ラッセル・クロウ)は解ってもらえないという「手応えの」ない社会に対して、一人閉じこもり、結果、天才(=分裂症)となって自分ひとりの世界をつくりだし「自己完結を前提」として生きていた。二つの映画を比べてですが、後者がスタンスとしては正しい。 人には「手応え」は必要で、無形の情報から受ける「手応え」は、物質的な「手応え」に慣れ親しんだ人間には、感じにくいからこそ、ずぶずぶと不安な社会を口にする人は後を絶たないのだろう。これには不安だろうが慣れるしかない。 「庇護されたくない」という感覚の上に成り立つ「個人の自立」を口にする人は多いけど、「手応え」のない社会では孤独は真っ先に訪れて誰かにすがりたい、或いは相対的な距離を感じて自分の位置を知りたい、そんな気持ちに襲われる。だから他者との関係性は必要。 情報(=知識)が主体の社会って、しっかりと意識(=感性・直感)を集中していないと、目がグルグル回って、自分の主体性も客観性もなくしてしまう、そんな社会ってもう来ているのだろうね 「アメリカン・サイコ」の感想で、時代に捕らえられ溺れないように。
by ssnostalgia
| 2004-07-28 12:23
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