フライトプラン
ジョディー・フォスターが台本での設定の主人公を、男性から女性へ書き換えさせて、主役として挑んだフェミニスティックな映画。映画を選んで出演している彼女は、自分が目指す目標と社会的な役割を本当に理解している。脱帽である。 男性が主役の設定では、単なるアクション映画になりさがってしまうが、女性が主人公で、女手1つで社会(映画では飛行機内という縮小されたが明確な組織)と対等に渡り合って子どもを守っていくことの意味を見つめると、少子化云々を問題視することへの解答は、この映画が主張する延長にしかないのだろうと感じ入ってしまった。 男女平等の考えは、女性を恣意的に引き上げたり押し上げたりしないし、男性を恣意的に押し下げたり引き下げたりもしない。男性が社会的が上部にいるのは結果としての事実として受け止めるしかないが、男性が優位となってきた社会の条件が変わったのも事実である。 社会が変わったという事実を男性も女性も性別を超えた部分で受け止めると、映画の主人公の人間像が浮かぶ。社会と対等に渡り合おうと思う個人の集まりが社会をつくり、そこでこそ個人が大事にされる社会が生まれ、自己主張に意味を与える。 社会組織と互角に渡り合えるほどの強い人間像(ジョディ演じる主人公)は誰もが望んでおいそれとなれるものではないが、か弱い人間個人の向かい目指す方向はそこしかないとおもう。映画の題名「フライトプラン」が指し示す「飛」を含む言葉の意味はそこにあると感じる。 追:良い映画なのでこれは是非に観ることをお勧めする。
by ssnostalgia
| 2006-01-29 22:11
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